墓石に刻む文字・家紋の種類と例

墓石に刻む文字や家紋の内容や種類ついて、画像で例を交えてご説明します。

和型墓石の文字例

和型墓石の場合、家名が刻まれることが多いです。また、仏教式のお墓の伝統的な形として、信仰する宗派の名号や題目、経文などの言葉を刻んだものもあります。どの様な文字を刻むかや、文字の書体に決まりはありません。一般的に使われることが多いのは、以下の例にあるような楷書体、行書体、隷書体などです。ご自身で書いた文字や、書家に書いてもらった文字を刻むことも可能です。また、文字は点などを省略した略字ではなく正字(旧字)を使うのが良いとされています。
和型墓石の文字例(書体例)
ひげ文字
ひげ文字
行書
行書
楷書
楷書
隷書
隷書
草書
草書
行書
行書
楷書
楷書

洋型墓石の文字例(書体例)

洋型墓石では、家名などのほかにも好きな言葉や文字を刻むことがふえています。 「愛」や「夢」、「和」、「心」といった一文字を刻んだものや、「ありがとう」、「やすらぎ」、「慈愛」などの言葉を刻んだもの、詩や俳句、文章の一節を刻むケースもあります。
洋型墓石の文字例(書体例)
洋型墓石の文字例(書体例)1
洋型墓石の文字例(書体例)2

墓石の家紋例

お墓には家紋が刻まれることもあります。竿石の上部のほか、水鉢、香炉、花立といった付属品や門柱にも刻みます。花立や門柱などの対になったものに家紋を彫刻する場合は、家紋も対にして刻みます。
家紋例
丸に桔梗
丸に桔梗
丸に片喰
丸に片喰
丸に剣片喰
丸に剣片喰
丸に花菱
丸に花菱
丸に剣花菱
丸に剣花菱
丸に四方花角
丸に四方花角
丸に唐花
丸に唐花
丸に蔦
丸に蔦
丸に三柏
丸に三柏
丸に違柏
丸に違柏
丸に抱柏
丸に抱柏
丸に一つ茶実
丸に一つ茶実
丸に橘
丸に橘
徳川葵
徳川葵
丸に一つ葵
丸に一つ葵
丸に違い矢
丸に違い矢
丸に違い鷹ノ羽
丸に違い鷹ノ羽
丸に根笹
丸に根笹
丸に笹竜胆
丸に笹竜胆
丸に四つ目菱
丸に四つ目菱
丸に平四つ目
丸に平四つ目
丸に沢潟
丸に沢潟
抱沢潟
抱沢潟
九枚笹
九枚笹
五三桐
五三桐
五七桐
五七桐
右三階松
右三階松
上り藤
上り藤
下り藤
下り藤
抱梶の葉
抱梶の葉
抱茗荷
抱茗荷
木瓜
木瓜
四方木瓜
四方木瓜
五瓜に唐花
五瓜に唐花
右三巴
右三巴
左三巴
左三巴
源氏車
源氏車
隅切角に三木
隅切角に三木
轡
九曜
九曜
梅鉢
梅鉢
揚羽蝶
揚羽蝶
渡辺星
渡辺星
平井筒
平井筒
井桁
井桁

墓石の文字について

家族で承継していく一般的なお墓の場合、文字は墓石の正面と側面に刻みます。 文字を刻む場所と内容は、以下の通りです。
文字を刻む場所 主な内容
棹石の正面 家名など
棹石の右側面 埋葬者の戒名、没年月日、享年など
台石の左側面 または 棹石の左側面や裏面 建立年月日、建立者名など

墓石の正面に刻む文字は、基本的には自由

「○○家」や「先祖代々之墓」といった文字が刻まれる墓石正面ですが、どのような文字を刻むかについて、特に決まりはありません。家族のためのお墓である家墓の場合は家名が刻まれることが多いですが、個人墓や夫婦墓では故人の戒名や俗名が刻まれることも多いです。また、宗教に応じて名号や題目、経文などの言葉を刻むこともあります。近年では、こうした従来の慣習にとらわれずに好きな言葉を刻むことも増えてきており、特に洋型墓石ではその傾向が見られます。

主に刻まれる名号、題目、経文など

名号や題目、経文を刻む場合は、主に以下のようなものです。
  • 「南無阿彌陀仏(なむあみだぶつ)」・・・浄土宗、浄土真宗などで刻ます。阿弥陀仏に帰依すること、つまり心から信じ、心のよりどころとすることを意味します。浄土宗ではこれを唱えることで極楽へ行くことができるとされています。
  • 「南無釋迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)」・・・臨済宗、曹洞宗などで刻まれます。お釈迦様の教えに帰依することあらわします。
  • 「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」・・・日蓮宗などで独特のひげ文字を使って刻まれます。七文字の題目と言われ、法華経の心理に帰依することをあらわし、日蓮宗ではこれを唱えることで成仏できるとされています。
  • 「倶会一処(くえいっしょ)」・・・浄土宗、浄土真宗で刻まれます。阿弥陀経に出てくる経文で、「倶(とも)に一つの処(ところ)に会う」ということ。死後に浄土でまた会い集うという意味を込めて刻まれます。

キリスト教式のお墓では十字架や聖書の一節を刻むことも

キリスト教では一人が一つのお墓と言う個人墓が基本でしたが、最近では家墓も見られるようになりました。刻む文字も様々で、家墓として家名を刻むケースや、十字架や聖書の一節を入れたり、個人の洗礼名(クリスチャンネーム)を入れることもあります。

戒名・没年などの文字は棹石の側面や裏面、または墓誌に刻む

故人の戒名、没年月日、俗名、享年は棹石の側面や裏面に刻むのが一般的です。墓石に多くの戒名を刻むことは困難ですので、将来のことも踏まえて、墓誌を建ててそこに刻むことが多いです。

建立者名や建立年月日の文字は左側面または裏面に刻む

墓石には建立者名や建立年月日も刻みます。彫刻する場所は、棹石の左側面や裏側、上台の左側面などが一般的です。 墓石の文字彫刻は宗教や地域によっても慣習が異なることがあるため、事前にご相談・お打ち合わせをして決めていきます。墓石の建立に際しご不明な点がございましたら、何なりとお申し付けください。

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